【Part 1】その肌トラブル、紫外線が原因かも?今日から始めるUVケアの基本

これからの時期、日差しが気になる方も多いはず。実は、紫外線は私たちの肌に良い影響と悪い影響を併せ持っています 。今回は、皮膚科医の視点から、見落としがちな紫外線の影響と、知っておきたい紫外線の種類についてお話しします 。
紫外線って、私たちの体にどう影響するの?
「紫外線は肌に悪い」というイメージが強いかもしれませんが、実は良い面もあるんです。
紫外線とビタミンDの不思議な関係
紫外線を浴びることで、体内でビタミンDが作られます 。ビタミンDは、骨の健康を維持し、免疫力を高めるなどの大切な作用があります 。しかし、わざわざ日焼けをする必要はありません。普段の生活で意識せずに浴びている程度の紫外線で十分作られますし、食べ物からも補うことができます 。
肌にとっての「困った影響」
一方で、紫外線が肌に与えるダメージは深刻です 。
- 日焼け(サンバーン):肌が真っ赤になってヒリヒリ痛む、あれです!
- 光老化:シミ、しわ、たるみ…これらは年齢のせいだけではありません。長期間紫外線を浴び続けることで、肌の老化が加速するんです 。
- 皮膚の病気のリスク:良性・悪性の腫瘍(しゅよう)が出現するリスクを高めることがあります 。
- 光線過敏症:体質や特定の薬の影響などで、通常なら問題にならない程度の紫外線でも肌に皮疹(ひしん)が出てしまうこともあります 。
毎日のちょっとした心がけで、肌の健康を守ることができます 。さあ、今日から実践できることを一緒に見ていきましょう!
知ってた?紫外線の種類と肌への影響
私たちの肌に影響を与える紫外線には、主に「UVA」と「UVB」の2種類があります 。それぞれ性質や肌への影響が異なります 。
UVB:真っ赤な日焼けの犯人!
UVBは、エネルギーが強く、短時間でも肌に炎症を起こしやすい紫外線です 。肌が真っ赤に焼ける「
サンバーン(日焼けによるやけどのような状態)」の主な原因です 。
- 肌への影響:実際、UVBはUVAの600〜1000倍も日焼けを起こす力があるとされており、海やプールでの日焼けの7〜8割はUVBが関与していると考えられています 。
- 長期的な影響:長年浴び続けることで、肌にシミやしわなどの「光老化」や皮膚がんを引き起こす力も強いことがわかっています 。
UVA:肌の奥深くをじわじわ攻撃!
UVAはUVBほどエネルギーは強くありませんが、その特徴が厄介なんです 。
- 浸透力:太陽光に多く含まれていて、肌の奥深く(真皮)にまで届く紫外線です 。特にUVAは、窓ガラスや曇り空も通過するため、日常生活でも対策が必要です 。
- 肌への影響:すぐに赤くなるような強い炎症は起こしません。しかし、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンをじわじわと壊していき、長期的に見るとしわやたるみの原因になることがあります 。光老化においても、UVAの影響は無視できません 。
UV対策の基本はココ!
- サンバーン(赤く焼ける日焼け)は主にUVBの影響
- シミ・しわ・たるみなどの光老化を引き起こすのもUVBの影響がUVAより強い
- しかし、UVAは窓ガラスなども通過し、真皮に届いて肌の老化を進めるため、しっかり対策を!
紫外線対策では、「SPF(UVBを防ぐ効果)」と「PA(UVAを防ぐ効果)」の両方をチェックして、用途に合った日焼け止めを選びましょう 。
次回の【Part 2】では、日焼け止めの「SPF」と「PA」の具体的な選び方、さらには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤といった日焼け止めの成分についても詳しく解説します。どうぞお楽しみに!
この記事を書いた人
皮膚科専門医:天野友里恵
診療日:毎週木曜日午前

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毎週月・木曜日午前に診察を行っています。
