【Part 2】SPFとPAだけじゃない!日焼け止め成分を理解して、賢く選ぶ

前回【Part 1】では、紫外線の肌への影響や、UVA・UVBといった紫外線の種類について解説しました。今回はその続きとして、日焼け止めを選ぶ際に重要な「SPF」と「PA」の意味を掘り下げ、さらに日焼け止めの成分について詳しく見ていきましょう。
日焼け止め、どう選ぶ?どう使う?
たくさんの種類がある日焼け止めの中から、自分に合ったものを選ぶのはなかなか難しいですよね。選び方のポイントと、効果的な使い方をご紹介します。
SPFとPAの意味と選び方
- SPF(Sun Protection Factor):主にUVBを防ぐ効果を示します 。数値が高いほど、UVBによる日焼けを防ぐ時間が長くなります。
- PA(Protection Grade of UVA):UVAを防ぐ効果を示します 。PA+からPA++++まであり、+が多いほどUVAに対する防御効果が高まります。
使用シーンに合わせたおすすめの強さ
- 通勤・買い物など日常生活:SPF15~30/PA++
- 屋外活動・レジャー:SPF50/PA+++以上
日焼け止めの成分にも注目!
日焼け止めの主成分として、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります 。日焼け止めの製品にはどちらか一方かもしくは両方が含まれており、紫外線の防御メカニズムや肌への影響が異なります 。
特徴 | 紫外線吸収剤 | 紫外線散乱剤 |
---|---|---|
紫外線の防ぎ方 | 紫外線を吸収し、熱に変換して放出します | 紫外線を反射・散乱して跳ね返します |
防げる波長範囲 | 主にUVBをよく吸収し、一部はUVAにも対応します | UVB〜UVAを広くカバーし、酸化亜鉛はUVA(340〜400nm)まで対応します |
使用感 | 軽くて、白浮きしにくい透明感があります | やや重めですが、白浮きしにくいように近年は改良が進んでいます |
肌へのやさしさ | 稀に刺激やアレルギーが出ることがあります | 低刺激で、敏感肌・小児・高齢者にも安心して使えます |
向いている人・ おすすめシーン | 普通肌の方、化粧下地やアウトドアでの使用に | アトピー肌の方、赤ちゃん、敏感肌の方、高齢者など肌へのやさしさを重視したい方に |
日焼け止めは単に「SPF値」や「PA値」だけでなく、紫外線防御成分の種類にも注目して選ぶことが大切です 。低刺激の日焼け止めでも、こまめに塗り直すことで、紫外線からしっかり肌を守れます 。
塗る量とタイミングがカギ!
日焼け止めは、ただ塗れば良いというものではありません。効果を最大限に発揮するためには、量とタイミングが重要です 。
- 顔全体:500円玉大をたっぷりと 。量が少ないと効果が半減してしまいます。
- 塗布タイミング:外出の15~30分前には塗っておきましょう 。肌に定着するまでに少し時間がかかります。
- 塗り直し:2〜3時間ごとに塗り直すのが理想です 。汗をかいた後や水に濡れた後は、すぐに塗り直しましょう 。
次回の【Part 3】では、日常生活で手軽にできる紫外線対策や、うっかり日焼けしてしまったときの応急処置についてご紹介します。これからの季節を快適に過ごすためのヒントが満載です。どうぞお楽しみに!
この記事を書いた人
皮膚科専門医:天野友里恵
診療日:毎週木曜日午前

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