院長の伊藤です。
ココカラハートクリニックのブログをご覧頂きありがとうございます。
8月11日は『山の日』でした。
最近できた祝日のため、いまいちピンとこない祝日ですよね。
ちなみに「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。」とのことらしいです。
僕も登山は好きで、子供と一緒にハイキングに行ったりします。
また大学病院勤務時代は、「高山病の発症と予防」について研究しており、富士山にも何度も登って、超音波や採血などを富士山山頂で行っていました。
ということで、その知識、経験を生かして、ココカラハートクリニックでは「高山病外来」を開設させて頂いています。
今日は「高山病」についてお話ししてみたいと思います。
高山病は、登山のときだけでなく、標高の高い地域に旅行するときも発症する可能性があります。
大人はもちろん、子供の高山病にも注意しなければなりません。
高山病になりやすい条件や症状、注意点について、解説したいと思います。
標高の高い場所では、誰でも発症する可能性のある高山病。
登山や海外旅行の際には、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
現れる症状や対処法について、4回に分けて紹介します。

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高山病とは
別名「山酔い」とも呼ばれる高山病は、標高が高くなるにつれて、大気中の酸素量や気圧が低下することにより発症する高所障害です。
「低酸素環境症候群」とも呼ばれ、低酸素の環境への変化に、体がうまく順応しない場合に発症します。
気象条件や個人差によっても異なりますが、標高およそ2000~2500mから発症する可能性が高くなります。
症状が現れるタイミングは、標高の高い場所に行ってから6時間後から数日以内。
ほとんどの場合、安静や治療により症状が軽くなります。高山病の主な症状として、頭痛やめまい、食欲不振、脱力、呼吸困難などがあげられます。
詳しくは、高山病②で後述します。
■子供の高山病に注意
子供は、成人と比べて高山病になりやすいといわれています。現れる症状は大人と同様ですが、初期症状で気分が高揚し、騒ぎだすこともあります。
ただし、子供は、食欲不振や倦怠感などをうまく表現できない場合があり、発症しても大人は気づきにくいかもしれません。
子供を標高2500m以上の場所に連れて行く際には、保護者が注意深く様子を観察してください。
小学生未満の子供は、標高3000m以上の地域に連れて行くのは避けた方がよいでしょう。
高山病になったかどうかは、顔色が青白い、唇や手が白紫っぽいなど、見た目で確認することもできます。
また、ゆっくりと行動させて、水分をしっかり補給させることも重要です。
子供に高山病の症状が見られたら、決して無理をさせず、早急に高度を下げる決断をしなければなりません。
■高山病は登山時以外にも起こる
高山病は、登山家だけに発症する病気ではありません。
登山をしなくても、標高の高い地域に滞在する際にも注意が必要です。特に海外旅行中など、気づかないうちに標高の高い場所に行ってしまうことがあります。
標高が1800mから2500mを超える地域へ旅行する際には、高山病の症状が現れる可能性があります。
例えば、南米ペルーのクスコの標高は3400mです。訪れる地域の標高を事前にチェックしておきましょう。
高山病の発症を正確に予測することは困難ですが、当日の体調や高所に到達する速度にも左右されます。
無理のない日程を組み、特に、到着した日は十分に休養できるスケジュールを立てましょう。
標高の高い地域ですごす場合には、体が高所に慣れるように、ゆっくりと歩くことを心がけてください。
心臓や肺の病気がある人は、標高の高い場所へ行く前に、医師に相談しましょう。
低酸素状態は、心臓や肺に大きな負担がかかるので、病状を悪化させる危険性があります。
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高山病の症状、予防については、シリーズで解説していきます。
当院では『高山病外来』にて予防薬を処方しています。(保険外診療)
予約専用ダイヤル 052-959-3553までご予約下さい。
この夏、南米やアジアの標高の高い地域に旅行を計画されている方や、国内の登山でも高山病の既往や、高山病が心配な方は、
一度当院の『高山病外来』にお問合せください。
当院の内科外来で対応させて頂きます。
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